九段下の交差点から俎板橋(まないたばし)を渡るとかつて存在していたのが、九段下ビルでした。
ウィキの写真をお借りしました。
4年くらい前、私自身が撮影した写真
お店もまだ営業していました。
この九段下ビルは関東大震災後に近隣の商店主さんたちが共同出資し、また復興助成金の融資を受け、
1927年に建てられた、いわゆる震災復興建物でした。
1階が店舗、2階が商店主の住まい、3階が貸事務所になっていました。
その後、老朽化が進み、東日本大震災後は安全性が保たれないという事で取り壊しが決まりました。
以前から建物の壁などが落ちてこないよう網がかけられていました。それでも1階のお店は営業を
続けていました。しかしそれにも限界があり、耐久工事を行っても無理だという結論になったようです。
2012年、1月、全面的解体が始まり、2月には完全に更地となってしまいました。
こうやって九段下ビルの85年の歴史の幕は下りてしまったのです。
跡地は専修大学が購入する予定だそうです。
私はこの数年、この辺りに行っていなかったので今回初めて更地になった光景を見ました。
大好きだったあのビルが全く無くなってしまったことがショックでした。
更地になった光景をカメラに収めることも出来ませんでした。それほど悲しかったのです。
でも今でも私の心の中にはあの九段下ビルが、はっきり存在しています。永遠に心に残り続けて行くこと
でしょう。九段下ビルさん、本当にお疲れ様でした。あなたを永久に忘れません。
☆九段下ビル・・・東京都千代田区神田神保町
設計: 南省吾
竣工: 1927年
鉄筋コンクリート造り、(屋上設備を含め)4階建て