少し前の話になりますが、ゴールデンウィークのある1日、お休みが取れたので八王子に行ってきました。
JR八王子駅
JR中央線
改札口
改札から続く南口デッキ
右側はサザン スカイタワー 八王子
高層ビルです。
八王子駅南口全景
南口ロータリー
古いカメラ屋さんの壁に飾ってあった古い額の中の写真が昔の八王子?私の記憶に近い風景です。
八王子には町田や横浜方面に行く際、JR中央線から横浜線に乗り換えるために駅自体はよく訪れていますが、最近は余り外に出ることはありませんでした。出ても賑やかな北口のほうに行ってしまい南口を訪れたのは
久し振りです。何故、南口を訪れたかというと、何十年も前に父と訪れた思い出があるからです。
八王子は”織物の街”として有名です。八王子から町田への道は”日本のシルクロード”と呼ばれています。
私の父は絹糸関連の仕事をしていたため、八王子をよく訪れていました。
私が3歳ごろ、南口にあった蚕(かいこ)農家に私も一緒に連れて行ってくれたことがありました。
それが私の初めて八王子訪問です。中央線に乗って、八王子に近づくにつれ富士山がとても大きく見え始め、とても嬉しかったことを思い出します。父の取引先の蚕農家は八王子南口を出てすぐの所にありました。
(現在のロータリーの前あたりでしょうか)
畑がずっと広がり、小川が流れ、屋敷林があり、その奥に家がありました。緑に満ちた何とものどかな風景
でした。父に手を引かれ歩いた田園風景が今も目に浮んでくるようです。その時、蚕農家の方は母へのお土産にと着物の反物を下さいました。その反物を持ち、緑の小道をたどり、父と再び電車に乗って帰りました。
今回、私はあの緑豊かな田園風景にもう一度会いたくて八王子に行きました。心ときめかせ、改札を出て、
南口に急ぎました。でもすべて変わっていました。駅舎も建替えられ、駅ビルになり、右側には高層ビルが
建っています。それでも下に降りて少し歩けば畑などあるかも知れないと思いましたが、道路の両側は家や
マンションが立ち並び、昔の面影は全くどこにもありません。何だか私は泣きたくなりました。
来る前から、もう変わってしまっているだろうとは思っていましたが、実際、その場に立って見ると悲しさが
募りました。目を閉じると今も亡き父の面影とあの田園風景が浮んできます・・・・。
それでも一度はこの目で確かめたかったので、これで気が済みました。
私の心の中にだけは、父の思い出と共にあの八王子の田園風景がきっといつまでも残っていくことでしょう。