今日、豊洲の地下水から基準値以上のベンゼンとヒ素が検出されたと報告されました,,・・・・・・。
現在、東京を揺るがす大問題になっている築地魚市場の豊洲への移転問題です。
私の幼い頃(3歳くらい)の忘れられない原風景に叔母の家の真ん前を流れている河というより運河のような
場所をポンポン蒸気船やタグボート、大小の船が賑やかに行きかう様を飽きもせず、ずっと眺めていた思い出があります。叔母の家に行く度にその光景に見とれていました。
その当時はそこがどこなのか判りませんでしたが、後で姉に聞いたところ”豊洲”だったそうです。
叔母の家族はその後千葉に引っ越し、その光景を見ることは無くなりました。
一方、築地は祖母の住んでいた月島から近いので築地場外のお店に子供の頃から連れて行ってもらって
いました。やはり懐かしい思い出の場所です。あの賑やかな人出とお店の人の掛け声が好きでした。
昔、魚河岸(魚市場)は日本橋にありましたが、関東大震災後に現在の築地に移ってきました。
築地は江戸時代初期の埋め立て地で350年の歴史があると言われています。
汐留に隣接していて銀座にも近く東京の一等地でもあります。
そこに東京オリンピックのための道路を造る、森ビルが高層ビルを何棟も建てる、NHKが移転してくるなど色々な
話が持ち上がり、築地市場の老朽化と共に何が何でも移転させてしまいたいという思惑が各方面にあったのは事実だと思います。
そこで不思議なのは何故、東京ガス工場跡地の汚染されていると判っている土地に生鮮食品を扱う市場を
移転しようと計画したのかということです。本当に謎です。
東京ガスは汚染されている訳あり物件だからと何度も断っているにも関わらず、東京都はどうしてそこまで
汚染された土地を買うことに固執したのでしょうか。謎が謎を呼びます。
今から15年くらい前に豊洲への移転が決まりかけた時、一部の都民は反対し、私も反対でした。
しかし当時の石原都知事がゴリ押しし、汚染された土地を取り除き、新しい土地を盛れば安全だとゴーサイン
が出て建設が始まったのです。結局、一部を除き土地全体への盛土はなされませんでした。
そして地下に空洞の箱を設置し、その上に建物を建てたのです。その地下には水が溜まっているという訳です。
そのことを都庁の担当部署は誰も気が付かなかったという間か不思議な話になっています。
共産党や公明党などがその水を専門家に分析を依頼したところ基準値以下のベンゼンやヒ素しか出なかった
という報告でしたが、今日の発表では基準値以上の物が出たということで驚かされました。
測る場所にもよるのかも知れませんが危険であることの証明になtったと思います。
築地市場も戦前は薬品工場があったり、アスベスト問題、ゴキブリ、ネズミなどの衛星問題もありました。
駐車場も狭い史、築地も決して衛生面では万全ではありません。
もし豊洲への移転を断念し築地に留まるにせよ築地は大幅な改築を余儀なくされ、また莫大なお金がかかります。私は移転するなら晴海かお台場にすれば良かったのにと今でも思います。
そして今日現在でも盛土の件やコンクリートの地下の箱など一体だれが決定し、指示したのかが全く判らない
そうですが納得が行きません。東京都側の指示が無ければ民間会社が動くわけがありません。
設計を担当した「日建設計」は全くコメントを出さずだんまりのままです。
建物の建設は鹿島や大成建設など大手ゼネコンが共同という形で行っています。
彼らも本当に何も知らないのでしょうか。疑問です。
豊洲は江戸時代の末期に水戸藩が造船のため埋め立てたのが始まりです。その後、東京ガスや東京電力
の工場、石川島播磨重工(IHS)の工場がありました。現在、東京ガスの責任まで問われていますが50年前の
高度成長期の工場跡地はどこも同じように思います。今ほど規制が厳しくなかったからです。
大阪ガスの工場跡地は「京セラドーム」になっているそうですし、名古屋の三菱重工工場跡地なども色々
問題があるようです。日本各地の工場跡地で安全な場所は無いように思います。
豊洲はセブンイレブンの第1号店が開店した場所としても有名ですが、ヤングファミリー層には豊洲周辺の
タワーマンションに住むのが流行になっていたようにも感じられます。
豊洲のララポートの内装は豪華だし、隣接してお洒落なカフェレストランやワインバーなどがあり夜景がとても
綺麗で華やかですので憧れる気持も判りますが、今回の件で風評被害も大きいのではと思います。
日本全国で豊洲が悪者になっているのが悲しい気もします。
私の心の中の原風景であるあの賑やかな豊洲の運河の光景が今でも焼き付いていて離れません。
そして築地にも子供の頃からの愛着があります。
東京のベイエリアはどこも埋め立て地です。地震の際の危険性は言わずもがなです。
江戸幕府開場の頃は日比谷辺りまで入り江だった東京の宿命かもしれません。
東日本大震災の後、半年以上たった頃に訪れた葛西駅前の液状化現象による道路のデコボコや亀裂に
驚かされました。浦安や舞浜などもひどい状況でした。
そういった観点からも汚染と共に豊洲の軟弱な土地に建てられた建物の耐震性も気になります。
今後一体この問題はどうなるのでしょうか・・・。
小池都知事のこの問題に関する徹底的追及と英断を望みます。
そしてみんなが知恵を尽くして良い方向に向かうことを切に祈っています。