横浜の1928年に竣工の貴重な建物「ザイム」の存続が決定しました!
「ザイム」の本館と別館
建物の刻印
横浜の古い建物 「ZAIM(ザイム)」が竣工したのは、約89年前の1928年(昭和3年)のことでした。
地上4階、地下2階、スクラッチタイル貼りのクラッシックで落ち着いた茶色の建物です。
旧・日本綿花横浜支店の建物として使われ、戦後は一時、GHQ(駐留軍)に接収されていましたが、昭和35年に
返還され本館は「関東財務局」、別館と倉庫は「労働基準局」の建物として使用されるようになったのです。
「関東財務局」が移転してからは「ZAIMU ザイム」の名称で、アーティストの活動拠点などに使用されていました。名建築家の渡辺節氏の関東における唯一残っている建物だったので、この建物が今後どうなるのかが
いつも気になっていました。横浜を訪れる度に建物がまだあるかどうか見に行っていました。
今年に入ってから、ブログの友人の記事から「ZAIM」がDeNaによって取得されたことを知り安堵しました。
入札には何件かの会社が応募してたようですが、結果的にDeNaが落札したのです。
DeNaはこの歴史的建物を文化活動の場所やカフェなどを作り、横浜の文化に寄与して行く考えのようです。
今後、補修に入り、今年の3月に再オープンする予定だそうです。この話を聞いてまずはほっとしました。
もう一人のブログの友人がこの建物の設計者である遠藤節氏をこよなく愛し、この建物も愛していたので彼女のためにも本当に良かったと思っています。
別館と倉庫はどうなるのかがまだ判りません。本館+別館・倉庫の一体での保存を望みます。
3月にリニューアルオープンした際はぜひ行ってみたいと思っています。
そして今年はDeNaベイスターズを積極的に応援しなければなりませんね。
☆「ZAIM(ザイム)」・・・・・神奈川県横浜市山下町日本大通り沿い
竣工: 1928年(昭和3年)
設計: 渡辺節
施工: 佐伯組
地上4階、地下2階、本館と別館、倉庫からなる建物
建物表面: スクラッチタイル貼り
☆渡辺節 (1884年11月3日ー1967年1月21日)
近代日本の建築家、東京府麹町区(現・千代田区)平河町で生まれる
旧制2高を経て、東京帝国大学(現・東大)建築学科卒
鉄道院に入る。
古典主義をベースとした様式建築を設計
近畿を中心に商業ビルを数多く設計した。
有名な建築家の村野藤吾は渡辺の下で学んだ。
主な作品
大阪府大阪市「綿業開館」・・・・国の重要文化財
旧・京都駅(焼失)
京都の梅小路蒸気機関車館の扇形車庫
神戸朝日ビルディング
商船三井ビルディング
大阪ダイビル本館
旧・日本勧業銀行本店(東京・現存せず)
旧大阪ビルヂング(現存せず)
近鉄百貨店京都店
旧・日本綿花横浜支店→関東財務局→「ZAIM」・・・関東に残る渡辺節の唯一の建物