こちらも今は無き懐かしい吉祥寺の珈琲店「もか」です。
「もか」の珈琲豆の袋(ヤフー画像からお借りしました。)
我が家ではこの袋を切り取り、額に飾っていました。
標さんが亡くなり、 閉店した後の「もか」(2008年ごろ)
その当時、まだ面影が残っていました・・・・。
現在、お店の跡はチャイ店になっています。(お店をそのまま利用しているようです。)
吉祥寺の珈琲店「もか」は南口の井の頭公園に降りて行く階段の脇にかつてありました。
(東京都武蔵野市御殿山1-3-2)
「もか」がオープンしたのは、1962年で、日本ではまだ珍しい自家焙煎の珈琲店でした。
オーナーは標交紀(しめぎ こうき)さんでした。「もか」のオーナーであり、コーヒー研究家、コーヒー器具の
蒐集家でもありました。コレクションは250点にも及んだそうです。
”珈琲の鬼”と言われた標さんのネルドリップで淹れる珈琲はまさに絶品でした。
私も姉や母とよく珈琲を飲みに「もか」の通っていました。特に姉は「もか」の自家焙煎珈琲豆以外は眼中に
なく、よく買いに行っていました。ネルドリップで淹れる珈琲が一番だというのが標さんの持論でした。
珈琲を淹れている時の標さんの真剣な表情が今も忘れられません。
東京の美味しい珈琲の3トップは①銀座「ランブル」(今も健在です。)のグァテマラ、
②荻窪の「ひかり珈琲」のコロンビア、そして③吉祥寺「もか」のモカブレンドと言われていました。
銀座の「ランブㇽ」も荻窪南口駅そばにあった「ひかり珈琲」(残念ながら閉店)もやはりよく行きましたが、
私は「もか」のモカブレンドが一番好きでした。
吉祥寺「もか」は、”珈琲の聖地”と言われ、全国から多くの人々が訪れ、愛されていました。
その「もか」もお店で飲ませることが無くなり、珈琲豆だけ販売するようになり、そして2007年の12月、標さんの逝去で座念ながらお店は閉店となってしまいました。
今でも標さんと、あのお店の中の内装やテーブル、珈琲カップ、珈琲コレクション、そしてと美味しい珈琲の香りと味を忘れることはありません。標さん、本当に美味しい珈琲ありがとうございました!
8年くらい前、閉店してからそのままになっていた「もか」のお店の前に立ち、標さんのご冥福をお祈りしました。
昨年、薬局で薬を待っている時、そばにあった読売新聞を何気なく手に取ったところ、なんと「もか」と標さんの
お話しが載っていました。奥様の和子さんは、標さんが亡くなってから一度も珈琲を飲んだことが無いそうです。
それは珈琲をこよなく愛したご主人が今は飲めないということにあるそうです。
その記事を読みながら、「もか」での色々な思い出が蘇り涙がこぼれました・・・・。
珈琲に命をかけて打ち込んだ標さんと「もか」の事はきっといつまでも忘れられることは無いと思います。
標さんは今は天国で美味しいモカブレンドを淹れているような気がします。